2017年6月16日金曜日

タイムズ・スクエア広場

タイムズ・スクエア広場

半年ほど前の昨年末にニューヨーク市のタイムズ・スクエアが歩行者空間化され、先行していたブロードウェイの歩行者空間化とあわせて、タイムズ・スクエアを結び目とする蝶ネクタイのような形の区域の歩行者空間化が完成した。アメリカ建築学会のメールマガジン(2017.4.19)は次のように紹介している。


 http://www.architectmagazine.com/project-gallery/times-square-reconstruction_o

http://snohetta.com/projects/327-times-square


タイムズ・スクエアには年間45百万人もの人が訪れ、ニューヨークだけではなくアメリカ全体を通じても有数の観光スポットである。タイムズ・スクエアの歩行者空間化については、ニューヨーク市の交通局、デザイン・建設局、スノーヘッタ(ノルウェーの建築造園設計事務所)、タイムズ・スクエア・アライアンス(タイムズ・スクエア周辺の関係者からなるエリア・マネジメント団体)が協力して実現した。
2009年にブロードウェイから自動車を締め出したことに続き、スノーヘッタのデザインにより、これまでの混乱した広場が、単断面のすっきりした恒久的歩行者空間に生まれ変わった。そこには花崗岩製のベンチが10脚設置され、歩行者の快適な移動に寄与している。
2016年末にタイムズ・スクエアの再整備が完了し、マンハッタン中心部の歩行者専用空間は倍増した。このデザインによって、タイムズ・スクエアはニューヨークでも最も混雑を極めているとの悪評高かった場所から開放的な市民広場に劇的に変化し、使い勝手のいいイベントスペースになった。「この再整備の成功は、コミュニティに対して、単に審美的な面だけではなく、長期にわたって物的、精神的、経済的な便益の増進が図られるだろうとみなされている。また、この再整備は都市ランドスケープのデザインが、人々が集うための重要な場を提供することにより、その空間の享受者の健康増進にいかに貢献するかについてのモデルたり得ることを証している」とスノーヘッタ創立建築家のクレイグ・ダイケルスは述べた。
再整備の区域は、「ボウタイ(蝶ネクタイ)」というニックネームで知られ、タイムズ・スクエア劇場地区の心臓部を構成し、ブロードウェイと7番街に囲まれ、42番通りから47番通りに囲まれる区域である。ブルームバーグ市政の2009年5月にブロードウェイにおける自動車通行が禁止され、スノーヘッタによる交差点の歩行者空間化は、2014年春に供用された。こうした整備はすでに安全性、経済性、快適性などについて重要なインパクトをもたらしていた。実際のところ、歩行者の負傷は40%までに減少、自動車事故は15%までに減少、全体を通じての地区内犯罪発生件数は20%に減少した。自動車走行がなくなったことにより地区の大気汚染は60%に減少した。地区訪問者のうち80%を超える人たちが歩行者空間化によってタイムズ・スクエアは以前より安全になったと考えている。

以上がデザインを担当したスノーヘッタ担当者による紹介の概要である。
なお、完成に至るプロセスの詳細については、中島直人・関谷進吾による詳細な紹介があるので以下にそのURLを記す。

http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/research/publications/_docs/img-707123937.pdf

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